ロドデノールってなに?
今回はプラセンタの効果についてではなく、紫外線関連の記事です。
お肌に関する重要な話でもあるので、番外編として読んでください。
資生堂と二分する化粧品業界の雄、花王傘下のカネボウ化粧品が自主回収を行うと発表した美白スキンケア製品に含まれている「ロドデノール」とは一体なんでしょうか?
カネボウが開発した美白有効成分
ロドデノール配合の製品を使用したら、肌がまだらに白くなった…そんな症例が報告され、回収・返金騒ぎに発展しました。
なぜこのようなことが起きたのか?ロドデノールとはなんなのか?について簡単に説明します。
ロドデノールとはカネボウが独自開発した美白有効成分です。
このロドデノールが肌を白くする仕組みの主なポイントは、チロシナーゼの活性を阻害することです。
チロシナーゼ…聞き慣れない酵素ですが、メラニンの生成に深く関わっています。
メラニンについては、お肌に関心のある方には説明するまでもないでしょう。
チロシナーゼ活性を阻害
以下、多少専門的になりますが詳しくみていきましょう。
具体的な酵素名などは覚える必要はありません。流して読んでください。
チロシナーゼとはいくつかの酵素の別名で、メラニンの生成に関わるのは、モノフェノールモノオキシゲナーゼと呼ばれるものです。
この酵素の働きは、メラニン色素の前駆体であるチロシンを酸化させてメラニンを作るものです。
つまり、この酵素が働かないとメラニンが作れないわけです。
下の文章はwikipediaからの引用です。
モノフェノールモノオキシゲナーゼ遺伝子の突然変異は、17,000人に1人の割合で発症する遺伝病で、モノフェノールモノオキシゲナーゼが機能しなくなりタイプIの眼皮膚白皮症を引き起こす
眼皮膚白皮症とはアルビノのことです。
簡単にいえば、2008年には厚生省から薬用美白成分としての承認を得ているとはいっても、実際には「肌を白くする」ではなく、「肌の色素を抜く」わけで、イメージとしては脱色に近いわけです。
肌の色を抜くとどうなる?
美白や美肌に関心のある人にとって、大敵なのは紫外線とメラニン色素ですよね。
メラニンに対して敵意をむき出しにしている人も少なくありません。
しかし、メラニン色素は肌を黒くしますが、必要のないものではありません。
太陽からの紫外線を毛や皮膚のメラニン色素で吸収するという、重要な役割を持っています。
紫外線に対する最終防衛ラインなので、これがないということは皮膚がんになりやすくなることを示しています。
実際、アルビノの個体はがん発生率が高いといわれています。
とはいえ、メラニンの生成は美白の観点からはどうしても抑えたいものですよね。
ここでの大事なポイントは、「敵はメラニンそのものではなく、メラニン色素を誘発する紫外線である」と認識することです。
ではその紫外線に対してはどうするべきか?
すでに紫外線対策を万全に行っている人もいるかもしれませんが、日焼けの予防と日焼けしちゃったあとの対処方法の両方の視点から記事を書いています。
是非参考にしてみてください。
ロドデノールを含む製品
ロドデノールを含んだ、対象製品名は以下の通りです。
1.対象製品名
【株式会社カネボウ化粧品】
<カネボウブランシール スペリア>
・ホワイトディープ クリアコンディショナー 全7品
・ホワイトディープ ミルキィコンディショナー 全3品
・ホワイトディープ ナイトコンディショナー 全4品
・ホワイトディープ マスク
・ホワイトディープ UVデイプロテクター
<suisai>
・ホワイトニングエッセンス
<トワニー>
・エスティチュードホワイト ロ−ション 全6品
・エスティチュードホワイト UVプロテクトセラム
・エスティチュードホワイト クリアタイトマスク
・センチュリー ザ・ローション 全2品
<インプレス>・IC ホワイトローション 全2品
・IC ホワイトエマルジョン 全2品
・IC ホワイトフィットマスク3D
・グランミュラローション
<アクアリーフ>
・MCTホワイトニングエッセンス【株式会社リサージ】
<リサージ>
・ホワイト スキンメインテナイザー 全8品
・ホワイト ホワイトニング リペアクリーム
・ホワイト トライアルセット 全4品
・ボーテ サーキュリード a
【株式会社エキップ】
<RMK>
・スキンチューナー ブライトニング 全2品
・インテンシブ ブライトニング エッセンス
<SUQQU>・ホワイトニング リペア エッセンス
・ホワイトニング ローション
・ホワイトニング バリア エマルジョン
※詳細は、カネボウ化粧品ホームページをご覧ください。
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