しみを撃退するには、まずその種類を知ること
しみにはいくつかの種類があります。
多くの人が認識してるのは、「年齢によるもの」と「そばかす」と「病気によるもの」くらいだと思いますが、自分の「しみ」が一体どういった種類のものなのかを知ることは、非常に重要なことです。
しみについては、一般的に医学的な定義はありません。
そのため、便宜的なわけ方となりますが、美容的には予防法や解決法が異なってきますので、しっかりと違いを知っておきましょう。
しみの種類によっては、美白成分が効いたり効かなかったりしますので、しみにお悩みの方はとくに参考にして頂きたいと思います。
8種類のおもな「しみ」
老人性色素斑と呼ばれるものです。
頬骨やこめかみ辺りにできるもので、最初は薄いものの、年齢とともにどんどん濃くなっていきます。
美白成分の入った化粧水などが有効ですが、黒く濃くなってしまったものは、レーザー治療でないと取れません。
紫外線対策を放置しておくとできやすく、老人性とは言いながらも30代に入ったら注意しておくべき敵です。
雀卵斑ともいいます。
遺伝による影響が強く、白人に多く見られ、日本人でも生まれつき色の白い人に現れる傾向があります。
鼻の周りを中心に、広範囲に四角や三角の小さい茶色いしみが点在するのが特徴で、紫外線の刺激で増えたり色が濃くなったりします。
基本的には美白化粧水は効きません。
レーザー治療が一般的ですが、再発もあるので、治療後のケアも必要です。
脂漏性角化症とも呼ばれる、良性の腫瘍です。
おもに40歳以降にできやすく、1の老人性色素斑を放置しておくことで発症します。
老人性色素斑がイボのように盛り上がってきて、次第に大きく、濃い茶や黒になってしまうとレーザー治療で切除する以外にケアの方法はありません。
紫外線の刺激で、いくらでも濃く大きくなります。
顔だけでなく、手の甲など紫外線に当たりやすいところには全身どこでもできる可能性があります。
炎症性色素沈着、いわゆるニキビ痕です。
脱毛や肌荒れのあとの炎症によるしみも、これに含まれます。
ニキビを潰して、痕(あと)になって残ってしまったことは誰しも経験があることと思います。
これは炎症しているだけなので、いずれ時間が経てば治ることもありますが、早くても2〜3年かかります。
また、これらの傷跡に紫外線が当たって日焼け状態になると、このまましみとして残ってしまうこともあります。
美白成分の入った化粧水が効果がありますが、より早く治したいならピーリングが有効です。
ニキビ痕専用導入型化粧水もあります。
肝斑と呼ばれるものですが、肝臓とはなんの関係もありません。
女性ホルモンの影響が強いため、男性にはほとんど発症せず、30歳以降の女性に多いしみです。
頬骨などに左右対称に広範囲に発生し、境界線が明瞭ではなく、ぼんやりとしています。
色も薄いため、ぼんやりじみと呼ばれたりもしています。
妊娠後期と更年期にとくに悪化するといわれており、またピルの服用中もこのしみができやすくなっています。
レーザー治療はタブーといわれており、刺激を与えてはいけません。
トランサミン内服がもっとも効果があるといわれており、ビタミンCや抗酸化剤などの内服薬、そして美白成分の入った化粧水などと併用していきます。
また、最近流行のフォトフェイシャルも効果があるようです。
花弁状色素斑と呼ばれるものです。
強烈な紫外線を浴びたときにできる、花びらのような形をした1〜2mm程度のしみで、顔だけでなく紫外線を浴びた部分すべてにできます。
時間が経てば薄くなっていきますが、すぐに消したい場合はレーザー治療が有効です。
ビタミンCをよく摂り、紫外線によるダメージも修復しましょう。
基本的に、他のしみの項目でも述べていますが、紫外線はお肌にとって大敵であり、しみの原因になるものなので、可能な限り浴びないようにしましょう。
摩擦黒皮症と呼ばれるもので、タオルで強く皮膚をこすったり、強い刺激を与えることでできてしまうしみです。
黒っぽいのが特徴で、重症なのは真皮にまでメラニンが入り込んでしまい、簡単には治せません。
お肌のケアのためには、ごしごしと強くこすったりしないように、柔らかく丁寧に洗顔して、ゆっくりとタオルでふきとりましょう。
そういう意味では、女性よりは男性に発症しやすいものといえるかもしれません。
逆に、洗顔をおろそかにしたり、お肌のケアが十分でないと、くすみや角質の汚れがしみとなる場合もあります。
角質が汚れたままですと、いつまでも皮膚表面に張り付いて、新鮮な皮膚が上がってきません。
ターンオーバーを阻害してしまい、古い角質が肌表面に付着してくすんだしみになります。
これは単純に洗顔方法を見直すことで治ります。
洗顔石けんを利用することで古い角質をとることができますが、かなりガンコな場合には、ピーリング効果のある洗顔剤を使います。
ターンオーバーを正常に戻すためにも、プラセンタやビタミン群などのサプリメントもしっかりと摂りましょう。
しみへの有効手段でもっとも重要なのは「予防」
しみについて、その種類と治療法を簡単に述べました。
基本的には紫外線を避け、美容成分の入った化粧水で予防することが一番大事で
もしもしみがひどくなってしまった場合は、皮膚科へと相談してみましょう。
今はレーザー治療を始めとした様々な治療法があり、簡単に治る場合も多いです。
ただ、保険適用が医療機関ごとに異なったりすることもありますので、必ず受診前に相談しましょう。
美容目的のしみ治療の場合は、保険の適用がほぼできないため、費用が割高になってしまいます。
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